
パッションの傾斜する午後あたり
夏は音を立てて
静かな音ですが
音を立て崩れ落ちるのであります
パッションの傾斜する午後あたり
夏は音を立てて
静かな音ですが
音を立て崩れ落ちるのであります
あめ色の夕暮れを 見るうちに霧が深まり そろそろ 昨日の幻想に そのまま沈み込んでいた 悪魔の ささやきが聞こえるころだ
つるつるの床の上で ゲジゲジは死んだ それも 生物の先生によって 簡単に踏みつぶされたのだ 生物の先生は無意識である ゲジゲジは不運である よりによって 二つしかない足のそのひとつの ちょうどよいタイミングを以て ちょうどその置かれるはずの場所に潜り込んだのだ ゲジゲジは 明らかに通過するつもりであったろう 一目散に走っているさなかに それは僕が足でつついて走らせたのだが 数十本の細い足の筋肉・・・筋肉? 筋肉でも何でもよいが それを最大限に動かしながらの 命懸けの逃亡であった 僕からは逃れた そして数メートルだけ命を永らえて・・・永らえて? 永らえたのか何か知らないけれど 不運に遭った つるつるの床の上に ゲジゲジの死が つぶれていた