独りであることを 詩にしてみようと思ったが ならない 仕方がないので それを詩にした
ある日の暮れ方
よどんだ夕空の下にある 交差点の信号あたり 僕の車は止まって順番を待ち その中の僕はさっきの女との たわいないやり取りを考えながら 薄暮の中に灯っている全ての電灯が 次から次にパンッパンッと音を立てて 割れ尽くしてしまえ
無題
止まった空間には 凝縮された生命が放蕩を始め 瑞々しい若さで傾いてゆくのだ 止まった空間には 地球の運命が暗示され 無機的な笑い声が気味悪く響き 涼しい血のためには頭痛を容認する 止まった空間には 生活の一端が溢れ出し
音
パッションの傾斜する午後あたり夏は音を立てて静かな音ですが音を立て崩れ落ちるのであります
ある朝に
僕の生み出せるものは うんちくらいのものだ いつになく 頑張ってみたところで 出来てきた作物はといえば いつも同じにひょいとあり そうして 勢いのある水なんぞに流されて どこかへ溶けて消えちまう 僕にしてみたところでもう
みかん
みかんの 向こうに 山がある。
うさぎ
知ってるか うさぎの 目は赤いの ばかりじゃ ないのだ