富士山には 随分たくさんの思い出がある 僕が富士山を好きなのは 数々の思い出の中に どっしりと富士山が座っている その偶然のためなのだろうか なかでも とりわけ強く僕を揺り動かす 八年前の二人の在り方と その背景にあるど
無題
遠くを見るにはこうしろと ひまわりは背伸びする。 僕は思わず嬉しくなって にこにこと笑ってしまう。
うさぎ
うさぎの ため息 聞いただけで 眠れない 小さなため息
ひまわり
ひまわりは 戸惑っている 自分の心を 持て余している 傍らにきっと 白い花でも 咲いたのだろう
亜希子
そこにいる君を僕は愛するのである 飾り過ぎることも 粗野に見せ過ぎることも 今や無用のことである そういうことを想像してみては 僕は一切の思いを集め 世の中をまた憎み直し 溜め息をつくのである そこに 今いる君を 僕は愛
よい
恥じらいが、よい。誠実なのが、よい。きちんと しているのが何より、よい。それは少なからず、 僕の思い込みにもよるのだろうけれど、それはそ れとして、よい。そのくらいのことが、許されて も、きっと、よい。それは僕にとっての
純
君の笑みが見つめる 僕はただ ちいさくうなずく 墜落する予感が 鋭い音をたててよぎり 僕は恐ろしくて そのまま身が凍りついてしまう レモンの黄に輝く 光線がまぶしく僕を貫き通す その拍子に 僕はバランスを失いながらも そ