孤独がテーマ

感謝

今日も 嬉しいことを 言葉にしてくれましたね 私の思いが 絶望してしまわないように 細心の優しさを ふうわりと添えて

恋することは 罪ではない と思うけれど それを打ち明けることは 罪となりうる

こころ

こころってヤツは 意志とか 理屈なんかより 自分が上等だと 思っているんだ きっと

一番星

冬の木立に風が吹く 一番星の輝きだす頃 お日様に取り残されて 男はとうとう 肩をすぼめて立ちすくむ 野良猫がにゃあと鳴き その瞬間に振り向いた男の 疲れた視線は魔法となって 野良猫を見事に射止める 互いに見つめ合うのは

無言

 i 僕は 何も言わない 何も 僕が言わない時 僕は 何も言いたくない そうでない時は 僕は 何も言えないのである たとえば 今のような あきらめきれない時などは  ii 無言の味は 羊羹に似ている 特に 食いすぎた時の

人生

何ゆえの 体罰であろう そんな風に 疑い続ける 自分がいる こんな 自分のためになら 体罰にも 耐えていけそうな 気がする

途上

飲んだっくれて 日が暮れて 誠心誠意 くれどおし しらばっくれて グレてみる 連れに逸(はぐ)れて 途方に暮れて 食いっぱぐれて 風が吹く そぞろ歩きの みちの上

霙(みぞれ)

霙の中を 卒園式帰りの母子が 傘をさして通り過ぎます 着飾った若いお母さんは 子供の制服の胸にあるリボンと ちょうど同じようなピンクの きれいなスーツを着ているのです 冷たい霙は 傘の上にもうっすら積もって 子供の黄色い

昨年と同じく

昨年と同じく 北海道に行けたら 行こう 昨年と同じく 列車の中で人と親しくなり 昨年と同じく 海や山や湖で じっくりと思ってみるとしよう 昨年と同じく 本当の自分と 落ち合えるかもしれないから 昨年と同じく 行けたら

みみずの死

どくだみの花が咲く 初夏のベッドで 僕は気ままに生きていた そこが 僕の全ての生涯の在り処 それでよく それでしかなく 土の臭いはそのまんま僕の 生と死を抱く 優しい場所であったのだ どこに行こうという望みも ありはしな

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