そこから山道に入った
橋を渡ると、ゆるやかに登る林道が続いていた
まだ時々強い風が吹いてきて梢を鳴らした
ひたすら続く松林の中の一本道を、
どんな道が待ち受けるとも知らず歩いて行った
はい松の林を抜けた
背の低いダケカンバをくぐり抜け、チシマザサをかき分けて登った
しだいに険しくなる山道は、
やがて岩の多い道に変わって、高木はなくなっていった
倒木を乗り越え、大きな岩をよじ登った
ぬかるみに足を取られながら、恐る恐る歩を進めた
何回かの休息を挿み、その度に意を決してまた立ち上がった

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