礼文島に渡った人との約束だと言って
あとから登って来た人たちが鏡を取り出した
太陽光を反射させて合図をするのだと言う
約束の時間をしばらく待つのも苦ではなかった
そよ風のように時が流れた
十一時、合図を始めるとまもなく、向こうからの光がきらめいた
頂上に歓声が上がった
稚内からの小型飛行機が、ゆっくり海を這うように飛んできた
小さな機影が、利尻空港めがけて一直線に飛び、着陸するのを見た

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