恥じらいが、よい。誠実なのが、よい。きちんと しているのが何より、よい。それは少なからず、 僕の思い込みにもよるのだろうけれど、それはそ れとして、よい。そのくらいのことが、許されて も、きっと、よい。それは僕にとっての
日暮れ方
雨の夕暮れは 今朝からの約束だ 約束をたがえない 律儀な一日が こうして日暮れていく 雨は止まない けれどいつまでも暮れ落ちない おぼろな空気の中を 小さな雨は降り止まない 小さな雨が水たまりに輪を描きつつ 小さな音でも
大男
思い詰めた少女のように けなげに僕の胸を飾っていた 小さな瑪瑙のタイどめを /メノウ 僕はとうとう 守り切れなかった 平穏な時にほど何かが起こる 倦んでいる退屈の向こうから のっしのっしと あの大男はやって来た
純
君の笑みが見つめる 僕はただ ちいさくうなずく 墜落する予感が 鋭い音をたててよぎり 僕は恐ろしくて そのまま身が凍りついてしまう レモンの黄に輝く 光線がまぶしく僕を貫き通す その拍子に 僕はバランスを失いながらも そ