うさぎの ため息 聞いただけで 眠れない 小さなため息
うさぎ
知ってるか うさぎの 目は赤いの ばかりじゃ ないのだ
ひまわり
ひまわりは 戸惑っている 自分の心を 持て余している 傍らにきっと 白い花でも 咲いたのだろう
亜希子
そこにいる君を僕は愛するのである 飾り過ぎることも 粗野に見せ過ぎることも 今や無用のことである そういうことを想像してみては 僕は一切の思いを集め 世の中をまた憎み直し 溜め息をつくのである そこに 今いる君を 僕は愛
よい
恥じらいが、よい。誠実なのが、よい。きちんと しているのが何より、よい。それは少なからず、 僕の思い込みにもよるのだろうけれど、それはそ れとして、よい。そのくらいのことが、許されて も、きっと、よい。それは僕にとっての
日暮れ方
雨の夕暮れは 今朝からの約束だ 約束をたがえない 律儀な一日が こうして日暮れていく 雨は止まない けれどいつまでも暮れ落ちない おぼろな空気の中を 小さな雨は降り止まない 小さな雨が水たまりに輪を描きつつ 小さな音でも
大男
思い詰めた少女のように けなげに僕の胸を飾っていた 小さな瑪瑙のタイどめを /メノウ 僕はとうとう 守り切れなかった 平穏な時にほど何かが起こる 倦んでいる退屈の向こうから のっしのっしと あの大男はやって来た
純
君の笑みが見つめる 僕はただ ちいさくうなずく 墜落する予感が 鋭い音をたててよぎり 僕は恐ろしくて そのまま身が凍りついてしまう レモンの黄に輝く 光線がまぶしく僕を貫き通す その拍子に 僕はバランスを失いながらも そ