幻想

幻想を
危うく持ってしまう所だった

少年の頃
いつもいつもそれで悲しみ
私はそれが
不当にもその持ち主をいたぶることに
絶えず苛立たしさを感じたのだった
それから私は
次第に幻想という奴を
持たない癖になっていた

それが あの瞳!

あの瞳に見つめられて
私の中には
蘇りそうになったのだ幻想が!
私は身の危険を感じて
すぐさま
あの瞳から
私の目をそらしたのだったが
あるいはそれも
手後れだったか

今もずっと
見つめられているようで
私の目は
もう一度確かめたい
思いの中を
漂いつづける

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