ある日の暮れ方

ある日の暮れ方

よどんだ夕空の下にある
交差点の信号あたり
僕の車は止まって順番を待ち
その中の僕はさっきの女との
たわいないやり取りを考えながら
薄暮の中に灯っている全ての電灯が
次から次にパンッパンッと音を立てて
割れ尽くしてしまえばいいような気がしている

街灯もテールランプも信号も割れて
ちかちか動く色彩の光が
不機嫌な空のあくびに飲み込まれちまうのを
息を凝らして陰謀するのだ

きっと清々するに違いないなどと思ってみるのだ
本当にそうだ
そんなことが起こったら
ちょっとは愉快に笑えそうな気がするのだ

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