がテーマ: エール

ありのまま
好きになってくれる
愛おしい
奇跡
いつも
勇気づけてくれる
優しい
奇跡

勇気

君が
勇気を出して
私に思いを
告げてくれるたび
私の思いは
ひときわ強く
しなやかに
羽ばたき始める

あなたは
私には蜜の味
ミネラル豊富な
完全健康食品
なにしろ
毎日の私を
いつだってきっと
元気にしてくれる
上等な稀少品

卒業

何のために
今があるのか
何のために
自分があるのか
何のために
生きるのか
という不思議を思うときに
僕らは思い返すだろう
過ぎ去った
あらゆる今というときを
過ごしてきた
あらゆる自分という存在を
別れて
遠く会えなくなってしまった人たちの
それぞれの生き方を

何のために
という
ある時だれもが
立ち止まる不思議のために
僕らは思い返すだろう
時空を超えて動かない
人生の確かなものは
既に過ぎてしまったことだけ
確定と未確定の境に
自分があるということを
現実と夢との境に
自分の今があるということを

そうして
きらきらした
無性になつかしい光の向こうから
微笑みかけてくれるだれかに
ひとり
あきらめたように微笑みを返し
未確定の明日を信じ直して
きっとまた
歩き始めることだろう

だから 今
寂しさなんか胸に納めて
やさしい微笑みにしてしまおうじゃないか
よくある祝福の
言葉の代わりに

ここ

今
ここに
いること
やがて
ここから
いなくなること
この二つは
初めから交わされている
太陽と月との
動かせない約束だ

だからこそ
ここにいるうちに
やった方がいいことの
全部をやっておくとしよう
ここからいなくなる前に
自分のありったけを
傾けておくとしよう

そうすれば
僕らは きっと
たくましく前へ
進んで行けることだろう
ここにいた
ひたむきな自分を
かけがえのない
宝物として

山茶花

冬
真っ直ぐに続く
一本の道を歩み疲れて
そろそろ気の遠くなりそうな心に
傍らの山茶花の花が
ほうと灯を灯す

なぜ
こんな季節を選んで
花を咲かせるのだろうと
ちょっと勇気みたいなものが
ほうと灯を灯す

古びた小箱

古びた小箱の手書き画像
みっともないくらい
ひたむきになりたい
古びた小箱を
涙を流して守り通す
子どもみたいに

まずまず

まずまずだ
何ということのない
僕の人生のことだけど
一人僕だけは
見捨てないでいこうと思う
一人僕だけが
思うようにならないというのでも
なさそうに思われるから

うーわん
と吠えやがる
あの家の犬に
今日こそは仕返しに
うーわん
と吠えてやろう

そうだ
ついでに姪の由佳にも
うーわん
と吠えてやろう

そうして
あの家の犬に仕返しに
うーわん
と吠えてやったことをじまんしよう
「すごいだろ」ってじまんしてやろう

晩夏

夏の終わりには
かみなりが虚勢を張って
「てやんでいっ!」
てなもんで自分を誇示する
そんな時は
分かってやるに限る
分かってやるに!

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