がテーマ: 人生

ゲジゲジの最期

つるつるの床の上で
ゲジゲジは死んだ
それも
生物の先生によって
簡単に踏みつぶされたのだ

生物の先生は無意識である
ゲジゲジは不運である
よりによって
二つしかない足のそのひとつの
ちょうどよいタイミングを以て
ちょうどその置かれるはずの場所に潜り込んだのだ

ゲジゲジは
明らかに通過するつもりであったろう
一目散に走っているさなかに
それは僕が足でつついて走らせたのだが
数十本の細い足の筋肉・・・筋肉?
筋肉でも何でもよいが
それを最大限に動かしながらの
命懸けの逃亡であった

僕からは逃れた
そして数メートルだけ命を永らえて・・・永らえて?
永らえたのか何か知らないけれど
不運に遭った

つるつるの床の上に
ゲジゲジの死が
つぶれていた

無題

いったい
どこで
いったい
何に
つまずいて
しまったのだ

無題

ひょっとこ
の
憂ひ

無題

ろばのみみ
に
ねんぶつ

人生

一生懸命
サーカスだ。

らくだ

らくだにのれば
楽だけど
駄目だよ駱駝も
だだこねるのだ

知恵の輪

早いところ
何とかなるまいか
知恵の輪みたいに

振り子

間延びした運動で
僕を煩わせる重たい振り子
揺れながら
ぐれちまって
もう手に負えない
僕はそのうちになんとかなるんだろうと思いながら
どうにかやってはいるが

うさぎ

知ってるか
うさぎの
目は赤いの
ばかりじゃ
ないのだ

日暮れ方

雨の夕暮れは
今朝からの約束だ
約束をたがえない
律儀な一日が
こうして日暮れていく

雨は止まない
けれどいつまでも暮れ落ちない

おぼろな空気の中を
小さな雨は降り止まない
小さな雨が水たまりに輪を描きつつ
小さな音でも立てたかと思うと

夏になるなあ
とだれかが呟く
なつかしい日暮れ方である

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