この しばらくの間 大切な時間が 動いていくような 記念 すべきことでいっぱいの 美しい日々です
約束
これまで互いの過ごしてきた すべての時間と出来事は この約束を果たすためのものだったと 僕は本気で口にする きっと君は いつものように ちょっとあきれて笑うだろう また大げさが始まったと 僕を思わず嬉しくさせる 可愛い声
プレゼント
サンタクロースが 二十年分くらい届け忘れていた 私へのプレゼントを ひとつに まとめて届けてくれた この日
感謝
今日も 嬉しいことを 言葉にしてくれましたね 私の思いが 絶望してしまわないように 細心の優しさを ふうわりと添えて
罪
恋することは 罪ではない と思うけれど それを打ち明けることは 罪となりうる
ガラガラ
このところ 風邪をひいても 酷使し続けているせいで 私の喉は 赤ん坊のあやし道具 「ガラガラ」 自分を まだ子供だとうそぶいては よくおどける 君をあやすのには 丁度よい道具かもしれないけれど 君が いつも聞いていたいと
その日
本当は いつも寄り添っていたい 朝から晩まで 一日中 ずっと寄り添っていたい 隣にいるという それだけでなく 生涯に 果たしてどれだけ そんな風に一日中過ごせるものか 二つの心は 寄り添うどころか ある時ふと 不用意に姿
いい加減
時間は限りあるもので 個人の持っている時間は確実に減っていく 常に意識しているほど 無意味なこともないけれど たまにはどうしても 思ってみなければならなくなる 《何をしている 時間は過ぎるぞ》 それは 自分の過去が 証
イチゴ
真夜中 暗い部屋のなかで わけの分からないことを 相部屋の二人が 楽しそうに 会話していましたので 私が それってどういうこと と訊いてみたところ 返答はありません 耳を澄ますと すやすやと 二人とも静かな寝息を 立てて
結び目(亡き父に)
最後に入院する少し前 力無げな声で 「疲れたから休んでいるんだ」と 座り込んだまま答えたあなたの姿が 私の中によみがえって 静かに微笑みかけてくれるけれど 私はあなたの そんなにも優しい表情に いつになったら 微笑み返せ