がテーマ: 出会い

無題

遠くを見るにはこうしろと
ひまわりは背伸びする。
僕は思わず嬉しくなって
にこにこと笑ってしまう。

ゲジゲジの最期

つるつるの床の上で
ゲジゲジは死んだ
それも
生物の先生によって
簡単に踏みつぶされたのだ

生物の先生は無意識である
ゲジゲジは不運である
よりによって
二つしかない足のそのひとつの
ちょうどよいタイミングを以て
ちょうどその置かれるはずの場所に潜り込んだのだ

ゲジゲジは
明らかに通過するつもりであったろう
一目散に走っているさなかに
それは僕が足でつついて走らせたのだが
数十本の細い足の筋肉・・・筋肉?
筋肉でも何でもよいが
それを最大限に動かしながらの
命懸けの逃亡であった

僕からは逃れた
そして数メートルだけ命を永らえて・・・永らえて?
永らえたのか何か知らないけれど
不運に遭った

つるつるの床の上に
ゲジゲジの死が
つぶれていた

うさぎ

うさぎの
ため息
聞いただけで
眠れない
小さなため息

ひまわり

ひまわりは
戸惑っている
自分の心を
持て余している

傍らにきっと
白い花でも
咲いたのだろう

よい

恥じらいが、よい。誠実なのが、よい。きちんと
しているのが何より、よい。それは少なからず、
僕の思い込みにもよるのだろうけれど、それはそ
れとして、よい。そのくらいのことが、許されて
も、きっと、よい。それは僕にとっての、愛の存
在しうる可能性の唯一のものであるからだ。愛と
呼べるのかどうか、それが正当な呼び方でないに
しろ、とりあえず、よい。二つの存在が、僕には
不可解に違いなく、面倒なことのようにも思われ
るけれど、必然的とも言ってよい出来事だからだ。
よい、ではないか。

君の笑みが見つめる
僕はただ
ちいさくうなずく
墜落する予感が 鋭い音をたててよぎり
僕は恐ろしくて そのまま身が凍りついてしまう

レモンの黄に輝く
光線がまぶしく僕を貫き通す
その拍子に
僕はバランスを失いながらも
そのまましかと身構えてみるが
もはや手後れ
僕を
がんじがらめにしている長い導火線の
先端には もう火花が走り出している

 むやみな爆発は顰蹙を買う
 それゆえ賢者は爆発しない

 というわけではないが
導火線の火花が
僕のいる空間から
ただ
かすかに音を立てて
さらさらと
降り落ちてゆく

ああ 純よ
その瞳をこそ
僕は祈ろう
純よ 純よ 純よ
僕は振り回すように
そうして君の名を呟くのだ

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