ありのまま 好きになってくれる 愛おしい 奇跡 いつも 勇気づけてくれる 優しい 奇跡
勇気
君が 勇気を出して 私に思いを 告げてくれるたび 私の思いは ひときわ強く しなやかに 羽ばたき始める
無駄な考え
幸せのために、 必要なのは勇気。 (それに対して、あなたが好きなのはケーキ) 色んなことを乗り越えるには、 本当は勇気が一番 大切さ。 (それに対して、北海道の屋根は大雪山) だけど、へなちょこにはなかなか、 その勇気が湧かない。 (それに対して、私がUFOを見たのは稚内) だから、時々だけど、 幸せになれないときもあるのかな。 (それゆえ、焼きそばUFOっていうのもあるのかな) でも、今はあなたのおかげで、 毎日、幸せを感じることができる。 (それに対して、毎日は電話ができない) もっと、あなたを幸せにしてあげたいと思うけど、 どうやったらいいんだろう。 (それに対して、あなたはよくはぐらかしてくれる) その結果、へなちょこにはなかなか、 超弩級ウルトラスーパーシュールな良案とか湧かない。 (それに対して、私がUFOを見たのは稚内)
手紙
純粋な少女のくれた手紙を 古いノートの間に見つけた 私の書いた小さな詩を とても素敵だと言ってくれたのだ ためらいがないどころか あんまり素直に心を打ち明けていて 私はなんだか今にも 優しい気持ちを誘われてしまう あの娘が どんな気持ちで手紙をくれたのかは あの時にだって分かっていた どんな気持ちで暮らしていたのかを 悲しいくらい私は知っていた 私の手元には 少女の純粋が今も残って 一つの勇気を与えてくれている あの娘の手元にも 私の書いた詩が まだ あるのだろうかしら
自然らしく
不安らしい瞳が 揺れながら僕を見つめる 何かを恐れている君のために 僕は大袈裟に決意する 宇宙よりも自然らしく 存在することを命にかけて 君の恐れているものは 僕であろう 友であろう そして 自分自身であろう 偽りであろう 裏切りであろう そして 信頼してしまうことであろう そこにあるためらいが そこにある君の瞳なのだ 世界の責任を 僕は一身に引き受け 空になり大地になり海になり ちっぽけな僕など 一切をやめてしまって 僕は大袈裟に決意する 宇宙よりも自然らしく 存在することを命にかけて
犬
うーわん と吠えやがる あの家の犬に 今日こそは仕返しに うーわん と吠えてやろう そうだ ついでに姪の由佳にも うーわん と吠えてやろう そうして あの家の犬に仕返しに うーわん と吠えてやったことをじまんしよう 「すごいだろ」ってじまんしてやろう
しろつめ草
校庭の片隅で見つけた
幸運の小さな象徴(しるし)
「ほら 四葉のクローバだよ」
「クローバ? 四葉の? ほんとだ!」
「あげるよ」
「わあ ありがとう」
初夏の
うららかな昼休みは
清々するくらい
明るくて綺麗だ
明るくて綺麗な昼休みであっても
そう単純にゆくことばかりではない
「ほら 四葉のクローバだよ」
「先生はそんなことやって楽しいんですか?」
なんて言いやがる奴だっている
そりゃあないんじゃないか
と思いながら
「四葉のクローバ 幸運の象徴だよ」 /しるし
と胸のポケットに無理やり挿し入れてやる
そうしたら
あきれたみたいな顔して見ていやがる
しろつめ草はポカポカした太陽をたくさん
浴びて育っているんだから負けない
理想
求めることをやめてしまえば 味気ない四拍子に暮らし ついと思い詰めてしまいそうで 周りの人たちを眺めながら 人生の意義などを考え直しては やっぱり理想を求めるに限ると 結論するのである
ある日の暮れ方
よどんだ夕空の下にある 交差点の信号あたり 僕の車は止まって順番を待ち その中の僕はさっきの女との たわいないやり取りを考えながら 薄暮の中に灯っている全ての電灯が 次から次にパンッパンッと音を立てて 割れ尽くしてしまえばいいような気がしている 街灯もテールランプも信号も割れて ちかちか動く色彩の光が 不機嫌な空のあくびに飲み込まれちまうのを 息を凝らして陰謀するのだ きっと清々するに違いないなどと思ってみるのだ 本当にそうだ そんなことが起こったら ちょっとは愉快に笑えそうな気がするのだ
無題
あさがおの これが ふたばだよ