真夜中 暗い部屋のなかで わけの分からないことを 相部屋の二人が 楽しそうに 会話していましたので 私が それってどういうこと と訊いてみたところ 返答はありません 耳を澄ますと すやすやと 二人とも静かな寝息を 立てていました 次の日 確かめてみたところ 二人の記憶には 内容どころか 会話していたことさえ 残ってはいなかったのです たしか イチゴに関する真剣な 会話だったような気がします 何が問題になっていたのか それは忘れてしまいましたが 謎をかけられた私は 闇の中に一人取り残されて しばらく眠れず ぼんやりと考えるうち やがてうやむやに 眠りに落ちて行ったのでしたが
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