大砲

ずどんと大砲が鳴ったあとの
僕の心の中を支配する余韻が
しつっこくてやりきれない
頭痛のガンガンする痛みには
もうあきらめもあるが しかし
僕の心の中を埋め尽くすもの
大砲の余韻が鳴り止まないのだ

大砲は僕の上にある未来をめがけて
そこには多少のデフォルメもあろうが
図太くて鈍い音とともに
天高く打ち上げられたのだ

それなのに
まだ砲丸は落ちて来ない
落ちて来ないが
空砲などではあり得ないはず
確かに
それは僕が打ち上げたのだ

いつもいつも
ずどんと大砲が鳴ったばかりで
余韻が鳴り止まないまま
砲丸もまだ落ちては来ない

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