Archives: 2020年6月2日

ゲジゲジの最期

つるつるの床の上で
ゲジゲジは死んだ
それも
生物の先生によって
簡単に踏みつぶされたのだ

生物の先生は無意識である
ゲジゲジは不運である
よりによって
二つしかない足のそのひとつの
ちょうどよいタイミングを以て
ちょうどその置かれるはずの場所に潜り込んだのだ

ゲジゲジは
明らかに通過するつもりであったろう
一目散に走っているさなかに
それは僕が足でつついて走らせたのだが
数十本の細い足の筋肉・・・筋肉?
筋肉でも何でもよいが
それを最大限に動かしながらの
命懸けの逃亡であった

僕からは逃れた
そして数メートルだけ命を永らえて・・・永らえて?
永らえたのか何か知らないけれど
不運に遭った

つるつるの床の上に
ゲジゲジの死が
つぶれていた

無題

いったい
どこで
いったい
何に
つまずいて
しまったのだ

無題

ひょっとこ
の
憂ひ

無題

ろばのみみ
に
ねんぶつ

人生

一生懸命
サーカスだ。

みかん

みかんの
向こうに
山がある。

チョコレート

ひとかけの
チョコレート。
甘美さと
ノスタルジーと。

らくだ

らくだにのれば
楽だけど
駄目だよ駱駝も
だだこねるのだ

知恵の輪

早いところ
何とかなるまいか
知恵の輪みたいに

振り子

間延びした運動で
僕を煩わせる重たい振り子
揺れながら
ぐれちまって
もう手に負えない
僕はそのうちになんとかなるんだろうと思いながら
どうにかやってはいるが

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